Mixi『モンスト』に見る、上りのエスカレーターに乗ることの重要性

ビジネス全般

Mixi。日本発のSNSサイトとして、急成長してきた会社だ。
しかし、フェイスブックやLINEによってユーザーを奪われ、青色吐息になっていた。リストラの噂も出たほど、追い詰められていた。

「もはや、Mixiも終わりか。」

誰もがそう思っていたに違いない。しかし、である。
今やMixiは新しい成長軌道に乗って、再び急成長を遂げている。その原動力がスマホゲームの『モンスターストライク』だ。
現在のMixiは、もはやSNSの会社ではない。
スマホゲーム(モンスト)事業が、全体の売上の5割にもなる、ゲーム会社になっている。
しかも、わずか1年での急変革だ。

スマホ向けアクションRPG「モンスターストライク」は、先日発表された「モバイルプロジェクト・アワード2014」で最優秀賞にも選ばれた。モンストは昨年10月のリリースから約8カ月でユーザー数900万人を突破、まもなく1000万ユーザーに届こうとしている。
http://k-tai.impress.co.jp/docs/interview/20140715_657696.html

Mixiは、スマホゲームを「事業再生フェーズ」と捉え、前社長の朝倉祐介氏がわずか1年で急成長させ、6月17日、東証マザースの時価総額で、サイバーエージェントを抜いて首位になった。

では何故、モンストはこれだけ短期間で急成長を遂げたのか。
そのヒントは、新社長である森田仁基氏の言葉から知ることが出来る。

よくわからないというのが正直なところですが、僕なりに分析すると、まずはタイミングが良かった。スマホがどんどん普及していく中で、まずパスドラという大きなヒットがどんと出た。そのあとLINEがもうちょっとカジュアルなユーザーを開拓して、スマホのゲームのユーザーベースが広がってきた。そういうときにモンストという新しいタイプのゲームが出てきた。こんなふうに、いろんな要素が混ざり合ってうまくいったのではないでしょうか。
http://toyokeizai.net/articles/-/42100?page=2

つまり、タイミングが良かったと。
つまり、ラッキーだったと。
もちろん、Mixiはモンストの開発には大変な努力もしているし、大規模な広告活動などの努力もしている。

しかし、いくら素晴らしい商品であっても、いくら努力しても、成熟し、衰退している市場では、事業の伸びは見込めない。
成長期にある市場では、同じ努力が大きな成果に結びつく。
上りのエスカレーターに乗ってしまえば、自分で一生懸命に登らなくても、スイスイっと成長できるのだ。

スマホが急成長している。
パスドラの大ヒットで、スマホゲームの市場が出来上がっている。

そうした「上り」のエスカレーターに、ポンと乗るだけで、スイスイっと成長できるのである。
上りのエスカレーターをどうやって見つけるかが、「楽に成長できる」(Mixiが楽をしているわけではないが)効率的な方法だろう。

そこで障害となるのが、既存事業にしがみつく「頑固さ」だ。
時代と市場に合わせて、自らを変えられるものだけが、上りのエスカレーターに乗れる権利を与えられるだと思う。