毎月定額の会員制サービスというのは、非常に強力な経営安定装置だ

ビジネス全般

価格.comが、8月4日、月額会員制アフターサービス「価格.comプラス」を始めた。
製品によって、3年から5年間の延長保証を受けられるというもので、ベーシックプランでは月額500円というものだ。

自宅の冷蔵庫が壊れた。その時・・・

いきなり話が変わるが、実は先日、自宅の冷蔵庫が壊れた。まったく冷えなくなり、真夏に冷蔵庫が壊れるのにはまいった。
なにせ、ビールも冷えない。焼酎用の氷も作れない。
しかたなく、スーパーで氷を購入し、クーラーボックスに必要な食材、お酒をぶち込んで2日間しのいだ。

で、購入した家電店に電話すると、10年間の保証が付いているので、無償で修理してくれるという。
真夏のことだし、困っているからと、すぐに修理の人が飛んできてくれ、2時間ほどで修理完了。
家電店と修理の人が神様のように思えた。

考えてみれば、7年前の購入時に10年保証に入って、その分のお金を払っていたわけだが、そんな事はとうの昔に忘れていた。
なので、てっきり有償修理になると思っていたところ、無償で直してくれるというではないか。

筆者は単純かつ忘れっぽく、かつバカなので、「なんと親切な店なんだ。次もここから買おう!」と思った。

価格.comプラスの内容は・・・

さて、話を価格.comに戻そう。
価格.comでは、最初に保証費を払うのではなく、毎月500円の定額制になっている。
入会することで、以下の特典がある。

  • 持ってる製品をまるごと保証
  • ネットや店舗など、どこで買った製品でも保証。価格.com経由で購入しなくても、保証対象
  • 約190メーカーの商品、19品目が保証対象

冷蔵庫や洗濯機、テレビをはじめ、パソコン、ゲーム機、カメラなど、電化製品ならなんでもござれだ。
しかも、どこのお店で買ったものでも保証対象になるというから、驚きだ。
修理費が高額になるパソコンやテレビ、大型家電などは、このサービスに入会すると、とても安心できると思う。

ただし・・・

保証が効くのは、延長保証期間中の「自然故障」によるものだけだ。
自然故障か、操作ミスや不注意による故障か、どういう基準で見分けるのか、いまいち分からないが、とにかく自然故障の場合のみ。

毎月課金というビジネスは、経営に安定をもたらしてくれる

で、毎月500円を支払い続けるというサービス。
これはまさに、生命保険と同じ仕組で、いつ使うかわからないし、使わないかも知れないが、いざという時のために支払い続けるお金、ということになる。

年間に6000円、例えば5年間払い続けると30,000円。
もし、すべての製品が5年間故障なしなら、この30,000円は無駄ということになる。

でも、家にあるたくさんの家電製品のうち、どれかが壊れ、修理費に30,000円以上かかるとすれば、「入っていて良かった」ということになる。

これは当然、予測不能なわけだが、とにかく安心を買いたいという人には、興味深いサービスだろう。

ビジネスモデル的に言うと、毎月安定的にお金が入ってくる会員制ビジネスは、ビジネスに非常な安定をもたらしてくれる。
インターネットのプロバイダーなどが、一例だ。

価格.comが、このサービスを成功させると、経営的に大きなメリットを手に入れることになる。
毎月定額の会員制サービスというのは、非常に強力な経営安定装置なのだ。