希少性の法則は、どんなビジネスにも当てはまる

ビジネス全般

「希少性の法則」というのがある。
ビジネスは、需要と供給の関係で成り立っているのだが、「欲しい」という欲求(需要)が、供給よりも極端に高い場合、つまり端的にいうと「欲しくて欲しくてたまらないのだが、めったに手に入らない」という物を扱うと、本当にあっけなく、びっくりするくらい簡単に売れる。

「そんな商品があれば、苦労しないよ」

という声が多数だと思うが、この「希少性の法則」はほんとに真実なのだから仕方がない。

例えば、筆者は印刷業を生業としてるのだが、一方で地元の特産品を売っている。
生産者直送の、販売サイトなのであるが、その中に「めったに手に入らない」「生産量が極端に少ない」商品がある。
その商品とは、「桃」のある品種なのだが、たまにテレビで取り上げられたりもする。

桃なんか、そこらのスーパーで手に入るし、別に希少性の高い果物でも何でもない。
しかし、同じ桃ながら、この品種はほんとにめったに手に入らない希少性の恐ろしく高い品種なのだ。
味は、さして格別に美味いこともなく、普通のブランド桃の方が美味しかったりもするのだが。

さて、この希少性の恐ろしく高い桃。
生産がとても難しく、生産量が非常に少ない。
なので、ほんとに少量しか手に入らないのだが、ネットでその桃を販売するやいなや、1日もたたずに売り切れてしまう。
メールを送れば、1~2時間で完売してしまう。

「こんなに簡単に売れていいの?」

と、売っているこちらが呆然とするくらいに簡単に売れてしまう。
惜しむらくは、希少性が高いあまり、数を確保できずに、すぐに売り切れになってしまうことだ。
もっともっと生産量が上がれば、もっと儲かるのにな、と悔しくてたまらないのである。

希少性というのは、めったに手に入らない物を手にする喜びや、「こんなの買ったよ」という、他者への自慢などなど、消費者の「欲しい」という欲求を高める非常に強力な武器なのだ。

なかなかこんな商品に出会うことが無い。
それは重々分かっているのだが、同じ「桃」という商品カテゴリの中でも「品種」という付加価値により、希少性を高めることができる。

ここにヒントが隠されているように思う。

今まで変哲もなかった商品を、切り口を変え、付加価値を付けて、希少性を高める。
ただっ気をつけなければならないのは、いくら希少性を高めても、誰も欲しいと思わないと何の意味もないということだ。

「この商品は世界に一つだけなんです」
「この商品は、世界で最初にウチが作りました」

という自慢をたまに聞くが、それが「欲しくて欲しくてたまらなくなる」ものでないと、何の意味もないということだ。

ニーズよりもウォンツを高めれば、商品はあっけなく簡単に売れてしまうものなのだ。

まあ、そんな商品はめったに出てこない。だからこその「希少性」なのだが。
ただ、そうした希少性を生む努力は、常日頃から行っていかねばならないと思う次第だ。