迷惑メールから、マーケティングを学ぶ

ビジネス全般

最近、また迷惑メールが怒涛のように届いている。ほんとに迷惑なのだが、その中で、日本郵政を装い、荷物の不在通知と称して添付ファイルをクリックさせるという悪どいメールがあった。

こうした詐欺メールはほんとに後を絶たないわけだが、中にはドキッとしてついついメールを開いてしまう場合もある。ネットショップを運営している人なら分かると思うのだが、顧客からのメールと見紛うような件名での迷惑メール。

例えば「荷物がまだ届きません」とか「注文した商品のことで・・・」という件名のメールだと、一見して本当の顧客からのメールなのか、迷惑メールなのかの判断がつきにくく、ついついメールを開いてしまうのだ。

メール本文を読めば、迷惑メールだと分かるのだが、顧客の中には名前も名乗らずにメールを送る人もいるので、非常にややこしく、甚だ迷惑な話である。

しかしこの迷惑メール、マーケティングの勉強には非常に役に立つ。
彼ら詐欺集団は、いかにメールを開かせるかに知恵を絞り、腐心している。

ついつい中身を読みたくなるタイトル、開かずにはおられないタイトルになっているのだ。
そうしたタイトルは、まっとうな商売をしている私たちも、大いに参考にするべきエッセンスが含まれているのだ。

ただ、それら迷惑メールの件名をそのまま使うのは、商売倫理に外れているので、絶対に悪用してはならない。

例えば「注文した商品のことでご相談があります」といった件名の迷惑メールがあったとする。これは、顧客を装った悪質なメール件名であるが、これをそのまま「ご注文いただいた商品のことで」という件名に直して、顧客でもない人にメールを送り付けたとする。

メールを受け取った人のうち、一定の割合で「なにか注文していたかしら?」とメールを開くことだろう。すると、注文したことのない業者のセールス文章が並んでいる・・・。

これは、明らかな詐欺行為であり、顧客じゃない人を騙すメールになるだろう。
確かにメールを開いてはもらえる確率は高まるが、絶対にやってはいけないことだ。

嘘は必ずバレる。人を騙そうとする人は必ず人が離れていく。

なので、迷惑メールをマーケティングの参考材料にするときは、件名を真似るのではなく、「この件名を見た人は、どんな感情の動きがあるのだろう」と、顧客の側に立って、顧客の心の動きを推測するのが良いと思う。

そのことで、顧客の心の動きが推測できるし、どんなタイトルにすれば顧客の心を動かすことが出来るか、それを考えるトレーニングになる。

これは、例えばチラシやホームページのキャチコピーを考えるときにも役立つ思考法だ。
自分が言いたいことを書くのではなく、相手の心が動くことを書く、というキャッチコピーのトレーニングになる。

そうした意味から、迷惑メールはマーケティグ思考を鍛えるための、良い材料になるとおもうのだ。

 

※注意!
たとえ、ユーザーを騙すような内容ではなく、真面目でまっとうなメールであっても、送信の許諾を得ていない人にメールを無許可で送り付けるのは、完全な迷惑行為なので、絶対にしないようにしましょう。