喪中はがきは年賀状の発行部数に左右される

印刷

年賀状の発行部数が年々減って、右肩下がりの状態だ。
そんな中にあって苦戦しているのは、郵政だけではなく、印刷会社も苦戦している。
印刷会社においては、年賀状は年末商戦の一大イベントであり、11月から12月のわずか2ヶ月間で数億円の売り上げを上げる会社もあるほど、ビジネス的にはかなり大切なコンテンツなのだ。

年賀状という文化は衰退するのか?

ところが、年賀状の発行部数が減ってきている状況で、かなりこの先不透明な情勢だ。
年賀状を出すという文化が、日本からどんどん失われて行くのか。
そもそも年賀状というのは明治になってから郵政が根付かせた文化(というか、習慣)であるので、歴史的にはかなり浅い。

それでも筆者が子供の頃は元旦になると、ポストを開けるのがすごく楽しみで、家族みんなでワイワイとコタツを囲みながら届いた年賀状を見ていたものだ。
まさに正月の風物詩というわけだ。

ところが近年、スマホとSNSが年賀状の役割を代替するようになってきている。
無料で、しかもリアルタイムに「あけましておめでとう」のやりとりができるのは、年賀状にはないメリットだ。
もしかして、このまま緩やかに「年賀状」という文化が廃れて行くのかもしれない。

年賀状の影響を受ける喪中はがき

ところで、年賀状が廃れるのと同時に廃れるものがある。
それは「喪中はがき」だ。
喪中はがきとは、喪中になった人が「今年は喪中になったので、年賀状は遠慮します」というメッセージを伝えるための挨拶状だ。

でも年賀状を出す相手が少なくなると、同時に喪中はがきの枚数も少なくなるというわけだ。
喪中はがきの印刷も、印刷会社の年末商戦にとって重要な商品なのだが、これも右肩下がりで減って行く運命にあるのかもしれない。

年賀状と喪中はがき、陽と陰、表と裏のような関係だが、発行枚数や印刷枚数は密接な関連性がある。
そもそも、2017年は年賀状は52円で送れたが、喪中はがきはすでに62円になっている。
2018年は年賀状も62円になることを考えると、ますます年賀状離れが進むし、同時に喪中はがきの需要も減ってくるのではなくかと、少々暗澹たる気持ちになってくるのだ。

印刷会社は変化への対応力に優れている!

印刷会社は、自分たちの力でどうしようもできない時代の流れに翻弄されるしかないのだろうか?
でも印刷会社は、活版印刷からオフセット印刷へ、版下からDTPへ適応してきたように、時代の流れや環境変化に柔軟に対応できる力を持っている。

年賀状、喪中はがきのビジネスが曲がり角を迎えようと、ほかのコンテンツを開拓したり、新たな文化を創出することもできるのだ。その可能性を、今の内にリサーチして、変化に対応できるだけの体力と柔軟性を磨いておかなければいけないと思う。