これから10年で激減しそうな印刷物

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凸版印刷が2014年4~6月期の連結決算を発表したが、出版印刷で苦戦してる。

凸版印刷が6日発表した2014年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比45%減の22億円だった。販売促進物や包装材の印刷は好調だったが、雑誌や書籍などの出版印刷が振るわなかった。液晶関連部材の価格下落も響いた。 売上高は3%減の3523億円、営業利益は77%減の11億円だった。電子化を背景に雑誌や書籍の市場は縮小が続いており、出版印刷が苦戦した。
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXLZO7533952006082014DTB000

出版印刷は、このように電子書籍の興隆でかなり苦戦している。
これから10年、印刷業界は相当な荒波に揉まれそうな気がする。完全なる私見だが、これから10年間で激減しそな印刷物を考えてみた。

1.雑誌

上記のように、電子書籍がこれからも増えていくことが予想され、雑誌の印刷は相対的に縮小せざるを得ないだろう。
また、「本離れ」が言われているが、これも雑誌印刷の縮小に拍車をかける。電子書籍であろうが、印刷物の書籍であろうが、本を読む人が増えれば、相乗効果で雑誌印刷も現状を維持できるかもしれない。
しかし、そもそも「本を読まない」人が増えている。これは、空き時間に本を読むよりスマホをいじる人が増えているせいなのだろう。

2.官公庁の観光パンフレット

平成の大合併で、市町村の数が減っている。ということは、観光パンフレットの数も減っているということだ。地方の印刷会社は、小さくなったパイを必死に取ろうと奪い合いをしている。
しかし、観光情報はわざわざパンフレットを読まなくても、WEBで手に入る時代である。
そもそも、市町村の発行する観光パンフレットは、せいぜい1~2万部というところが多く、配布場所も限られているために、一般の人は役場が観光パンフレットを出していることすら知らない人が多い。
パンフレット作りを頑張るくらいなら、充実した観光WEBサイトを作るほうが、訴求力がある。
なので、印刷物としての観光パンフレットは、今後減少していくだろう。

3.挨拶状

一昔前は、転勤や転職、退職時には丁寧に挨拶状を送っていた。もちろん、現在でも挨拶状を送る人は多いが、労働市場の流動化、メールで挨拶を済ませる人、そもそも挨拶状を出さない人が増えてくるだろう。

4.帳票類

現在でもそうだが、伝票の印刷というのはすごく減っている。当たり前のことだが、帳票はすでにパソコンでプリントするものであり、印刷会社に帳票の印刷を依頼するのは、すでに時代遅れなのかもしれない。

5.マニュアル

マニュアルはすべて電子化され、ネットで見る時代になってきている。パソコンを買ったら、ものすごい分厚いマニュアルが付いてきたのは、一昔前の話。そもそも、マニュアルは新たな顧客を開拓するものではなく、購入した人のみが対象の説明書なので、完全な経費として見なければいけない。マニュアルを完全に電子化すれば、莫大な経費削減になるだろう。

6.商品カタログ

これも電子化の煽りを受けている。カタログはすべてwebでデータベース化され、タブレット端末に収納される。分厚いカタログは、もはや不要になりつつある。もちろん、業種によって印刷物の方が良い(効果がある)場合があるが、電子化の波は避けられそうにないだろう。

以上、6つの印刷物を上げてみたが、あくまで私見なので、意外と伸びるものがあるかもしれない。
また、上記以外にも激減しそうな印刷物があるかもしれない。

今回は、後ろ向きな話になったが、次回はこれから10年で伸びるであろう印刷物も書き留めたい。