電車に乗らないというライフスタイル

雑談

筆者は、約20年前に東京で暮らしていた。転職前の会社で東京本社に勤めていたわけだが、東京の暮らしはホントに楽しかった。
筆者は関西人なので、東京転勤を聞いた瞬間に青ざめたのを覚えている。

イメージとして、「東京人は冷たい」というのがあり、また東京の言葉が馴染めないのもあり、不安だらけで東京に向かった。
ところが、東京の人に接してみると、すごく温かいのだ。許容範囲が広いというか、懐が深いというか。
考えてみれば、東京人とは言っても、地方出身者がほとんどだったので、いわば「みんな田舎者」だったのだ。

東京は人のるつぼだ。日本全国から人が東京に集まる。なので、人の多様性を許容する文化がある。意外と、大阪よりも、よそ者に対して寛容なのだ。

そうして、良好な人間関係を築き、東京での生活を楽しんでいたわけだが、ある事情で田舎に戻ることになった。
そうして約20年が経過したわけだが、先日、東京時代の友人がわが田舎に遊びに来ることになり、2日間過ごしたわけだが、色々と話しているうちに「そういえば俺、何年も電車に乗ってないな」ということに気づいたのだ!(出張で東京などに行くときは別として)

東京の友人にそのことを話すと、未開人を相手にしているような目で見られた。
そりゃそうだ。東京で電車に乗らないという人は皆無に等しいだろう。
でも、筆者が住んでいる田舎は、電車はよくて30分に1本。日中は1時間に1本という超ローカル線。
移動はもっぱら車になる。

東京の人は電車に乗らないというライフスタイルでは生活していけない。
でも、田舎では車に乗らないというライフスタイルでは生活していけないのだ。

なにしろ、最寄りのコンビニ、スーパーなどは、車がないと行けない距離にある。

住む場所で、ライフスタイルというのはガラリと変わるもんだなと、改めて思った。

田舎に住んでいると、電車に乗る機会は激減し、旅行で遠くへ行くときも車を使う。
なので、足腰が弱くなる。
「田舎の人間の方が体が強いし、健康的だ」という意見は、ありゃ嘘だ。
東京人は実によく歩く。しかも早く歩く。実に健康的だ。

といいつつ、田舎での暮らしが性に合っている筆者としては、東京で再び暮らしたいという気にはどうしてもなれないのだが。
電車に乗らないライフスタイルというのも、いいもんだなと改めて思った次第だ。

そうそう、もう一つ。
東京の友人が驚いていたことに、田舎は軽自動車がやたらと多いらしい。
友人曰く「東京は軽自動車よりも高級車の方が多い」そうだ。

ケッと思いながら考えると、我が家の周りには軽トラのなんと多いことか。
東京では軽トラに乗った農家のおっちゃんを見かけることは、ほぼ無い。

軽トラも、東京では生活できないのだな~と、しみじみと思ったわけだ。