引用と表記のルール

 論文の執筆・作成で必須となるのが「引用」です。ここでは、引用に関する定義や、引用の仕方、また注記や引用文献の表記方法などを紹介します。(※「注」には「註」なども使われます)

引用の定義

 引用とは、他人の著作を自身の著作内で紹介したり、要素として取り入れることです。つまり、「筆者自身のオリジナルの見解でない記述は、文章に限らず図表・見解・研究結果など、その全てが引用」という事になり、それらは全て、読者が直接原典で確認できるよう正確な情報を明示する必要があります。

引用と表記の方法

 引用する方法には、大きく分けて以下の2通りのパターンがあります。

・原文を一字一句そのまま引用するパターン。
・自分の言葉で要約して引用するパターン。

 ただし、次のいずれかの方法で、引用した箇所と出典(原典)を明らかにする必要があります。
(国内は標準的スタイルの統一基準がなく、分野や雑誌により指定の書式に従う必要があります)

引用箇所に「注番号」をつけ、ページ最下部や本文末に注記として詳細を記載する方法。
引用箇所に「文献番号」をつけ、論文末尾に番号に対応させた引用文献リストを記載する方法。
引用箇所に「著者名・出版年(発表年)」を直接記載し、引用文献リストと対応させる方法。
(※注は、付記したいが本文中に入れると流れを乱す場合、補足したい情報などにも使用します)


引用箇所と注記・引用文献リストにおける表記の仕方

・引用文や書誌名は、必ず「」で括り、右肩に小さく1.2.3など、注番号/文献番号をつけます。
・注番号や文献番号は、論文全体を通しての通し番号となり、必ず句点(。)の前につけます。
・引用文の中で「」が使われている場合には、『』を使用し、「……『……』……」の形にします。
・引用文が長文の場合は、「だから[……]なのだ」と3点リーダー(…)で要約しても構いません。
・注記はページ最下部(もしくは本文末)に掲載し、注記番号に続けて情報を記載します。
・引用文献リストをは論文末尾に一括して掲載します。
・文献情報は、「著者名『著作名』発行所,発行年,ページ数」の順に記します。
(もしくは「著者名(発行年)『著作名』発行所,ページ数」の順で表記することも多い)

  引用パターン

  表記方法1

引用文献の形式に応じた表記の仕方

 洋書の場合や共著の場合、或いは雑誌等の掲載論文、新聞記事、webサイトなど、出所・出典の違いにより原典の表記方法にも様々なパターンがありますので、ほんの一例として以下に例示します。

  表記方法2

 以上が、引用のルールとその一般的な表記の仕方になります。

※繰り返しますが、ここで挙げた表記例は一つの例に過ぎません。英文の場合や、分野などで例とは異なる場合があります。執筆・作成される分野、投稿・提出先の慣例や、所定の書式や指定がある場合はそちらに従って作成してください。


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